やるだけやってみようの記録

妊活日記→発達障害児育児日記

父が死んだので覚書(2)

 転院して1週間後、昼過ぎに母から電話がかかってきたので、急いで病院へ向かいました。その時点では、父はぼんやりしつつもまだ多少意識はあったようです。しばらく病室にいたのですが様子が変わりそうもなかったので一時帰宅。母は父に付き添って病院で泊まり込むことにしました。

 夜中に電話がかかってきて、とうとう……ということらしく、夜中に道をぶっとばして向かいました。ちなみに夫が夜勤だったため子供を起こして隣にある義実家に頼んだ。よく起きてくれたな……と思ったのですが、おそらく私が逐一情報を伝えていたので、準備してくれていたようです……。夫? 出勤前に「夜中に電話かかってくるかもしれないからスマホ持っててよ!」と言ったのにもかかわらず電話しても出なくて、帰ってきたの朝方だったよ! 一生忘れねぇからな(仕事が鬼のように忙しかったのはわかってるけどさぁ)。

 私が病院についたころにはすでに父は亡くなっていたのですが、あれね、急にこと切れるんじゃなくて「意識ある? どうかな?」って感じで、いつのまにか……って感じみたいね。

 父は結局肺炎で亡くなったのですが、痛みより最後まで苦しそうでした。肺がんとか肺炎で死ぬってそういうことみたいね。溺れるように亡くなるって。

 私は、病院から父が運び出されるときがつらかったな。もう終わっちゃうんだ……って思ったから。転院だなんだってやってる間は、まだ父は「生きている」状態ではあったので。

 

 で、ここから怒涛の手続きが始まるのですが、驚いたことに父が亡くなった当日の昼前に全て終わっていました!

 人が無くなるとバタバタしてなかなか大変だとは聞くのですが、私の両親は生前から冠婚葬祭会社の互助会に入っていたのです。互助会に入っていると毎月いくばくか(そんなに高くはない)の会費を払うのですが、葬儀会社に積み立てをしているようなもので、ちょっとしたサービスを受けられるようです。積み立てを使って葬式費用の足しにできるというか。

 しかし私が、互助会すげぇなって思ったのは他でもない、

人が死んだ後に連絡するところが決まっている

 という一点です。

 これは大変楽でした。人が死ぬとまずどうすればいいの? ってなると思うのですが、電話する葬儀会社が決まっていると、電話するだけで全部進めてくれます。病院へ向かう時刻を教えてくれるのでそれまで病院で待機し、葬儀会社の車が父を乗せて葬儀会社へ向かってくれます。家族は家族でその葬儀会社へ向かう。そして葬儀会社でその社員の方と通夜と葬儀の相談をします。父が亡くなって3時間くらいでもう相談すんのよ。しかも決めることが膨大なのよ。通夜はまぁまだやることが少ないので誰に香典受け取ってもらうかとか葬儀場へ泊る人はいるかとかくらいなんだけど、葬式本番の決め事多すぎてへとへとになりましたよ。やれお棺はどんなのにするかとか、大きい金額をくれた場合の香典返しの内容とか花だとか花輪だとか花輪に居れる名前とか人数とか料理とか、最近は葬式と一緒に初七日もやっちゃうので精進落としの料理をどうするかとか。コロナのおかげで「料理はなし! 集まりも無し! 泊りも無し! 無い無いづくし!」で押し通せたので楽でしたけど。

 これさえやっちゃえばもう通夜までなーんもやることないんだけど、葬式の色々決めるのクソ疲れた。

 父のお棺は、お通夜まで葬儀場に置いてもらいました。いろんな人に「家に帰してあげないとかわいそう」って言われてすげぇつらかったんだけど、お通夜まで長かったので自宅に置いておくと母がしんどいかなと思って私が「いいよ葬儀場に置いてもらおう」って決めました。義実家にも「お父さんがかわいそう」って言われたな。うるせえな死んだ人間より生きた人間に気遣ったんだよ私は。

 葬儀場で膨大な決め事を終え、実家につくとなんとびっくり、実家の組内の人がもう集まってきてるんだよおおお。朝の8時前よ?! 田舎ってすごいね?! まぁ母が隣の家の人に朝早く電話したので、それで組内の人に教えてくれたんだけどさ……。お通夜は組内の人が色々やってくれるので(それでも今はだいぶやること少なくなったけど……)、通夜と葬式の時にどうするかチャチャッと決めて終わり。

 その後、我が家は神式なので、教会に行って通夜と葬式についての打ち合わせに行きました。父が神式の信者だったので神式で葬式を上げたのですが、母はあまり教会の面々が好きではなかったので向かうのに気が重かったようです。そういうこともあるのね……。あと、仏もそうだと思うんだけけど神式でも亡くなった人の成育歴のようなものを読み上げるので、父と母の歴史を少し垣間見れました。というか私ももし死んだら身の上話を読まれるので、黒歴史があったりするとおっかねえなと青ざめた次第です……。

 

 ということで、父が亡くなってから半日経たずに全て手続き終わりました。

 

 なんというか、私の家族って(父を除いて)割と人情に淡白というか……。父が亡くなってからあれこれ決めるときに、母が「えっ……どうしたらいいか……」って困っている横で私と妹が「これでいいんじゃない?」「これにしよう」とかバシバシ決めていくのを見て母が、2人の娘の淡白さに驚いていました(笑)あと、妹と二人で「そうか人が亡くなるとこんなにみんな丁寧に接してくれるんだね……」って驚いた(笑)父が亡くなったことを周囲に知らせると、すっごい丁寧に悼んでくれるんだよね。それが驚きだったというか「そうか普通はこうするのか……」って妹と二人でうなってしまっていました。